観光施設を運営されている事業者の方々では、年間パスポート(以下「年パス」という。)を提供されている方は多いと思いますが、その効果はいかがでしょうか?
手間がかかる割にはあまり枚数が売れないため、一部のロイヤルカスタマー向けに絞ってやられているケースが多いように感じます。
一方で年パスを多く販売できることのメリットは強く、本来は日本の観光施設は多く年パスを販売できる余地が存在しています。
具体的には売上・利益を数千万円〜数億円単位(施設の規模に依存)上げる効果がでるケースも多く存在します。
では具体的にどうやって年パスを効果的に販売すれば良いのか?
本記事では「年パスを買ってもらうために」どうすれば良いのか、5つの観点からなるべく分かりやすく解説したいと思います。
【この記事がおすすめの方】
- 観光施設・事業を運営されているオーナー、経営者
- 観光施設・事業に携わっている営業職の方々
- 観光施設・事業に携わっているマーケティング職の方々
是非最後まで記事をご覧ください。
<筆者の紹介>
- 観光業界でデジタルマーケティングに携わり10年以上
- 元大手のOTAでとある責任者として働いていた
- NutmegというITサービスの運営中
- 商談や繋がりなどで1,000以上の観光事業者と対話
- 大手に対してEC業界やITサービスのコンサルティングの実績あり
年パスを売るための事前整理・解決方針
観光施設に来園されるお客様に年パスを買ってもらうための最初のステップは、現状の整理した上で「どういった課題を解決」すべきかの大きな絵を確認すべきです。
これをしないで最初から施策側に走ってしまうと、目的地も分からないまま闇組に取り組みだけが進んでしまうことになります。
課題整理から始め解決するための方針や必要なフレームワークなど、大きな枠組みや必ず考えたい視点を含めて解説します。
現状の課題を整理する
年パスを売るために皆さん必ず最初にやってもらいたいのは、なぜ年パスが思ったより売れていないのか?という「現状の課題を整理」することです。
課題の整理には「消費者から見た視点」と「販売事業者から見た視点」の両方を含めましょう。
多くの観光施設・観光事業者では下記のような課題があることが多いため、参考までにサンプルを示しておきます。
【消費者から見た課題】
・認知の壁:年パスを購入するメリットに気づけていない
・費用対効果の壁:年パスを使っても得するのか分からず購入ハードルが高い
・使い勝手の壁:発行や更新などの各種手続きに時間がかかり面倒
【事業者から見た課題】
・ナレッジの壁:年パスの利用者を増加させる知識や経験が不足している
・人材不足の壁:利用促進の施策を実施するための人手が不足している
・業務負荷の壁:発行〜更新の対応業務がアナログで現場業務の負荷が重い
マーケティングの4Pで解決策考える
こういった課題を整理した上で解決するための施策を考えるのですが、ここでもいきなり施策単体をどうするかという手法に飛びつかないようにしましょう。
理由は単純で、課題に対する因果関係を明らかにすることでより精度の高い企画の立案や実行ができるためです。
ここでは課題を解決するために必要なフレームワークとして、「マーケティングの4P」を使うことをおすすめしています。
【マーケティングの4Pとは?】
エドモンド・ジェローム・マッカーシーが1960年に提唱し、友人であったフィリップ・コトラー等が使っている有名な分類、「4P」を用いてマーケティングミックスが語られることが多い。これ自体は顧客志向のマーケティングであり、その教育的効果が高く評価されている。4Pが売り手側の視点に基づいたツールであると言われるようになったのは、1970年代の終りにコンシューマリズムが台頭し、その視点と比較されたためであり、もともとの4Pは双方の視点である。しかしコトラーはこれを「マーケティング1.0」と言っている
4つのPとは?
・Product(製品):製品、サービス、品質、デザイン、ブランド 等
Wikiから抜粋
・Price(価格):価格、割引、支払条件、信用取引 等
・Promotion(プロモーション、販売促進):広告宣伝、ダイレクトマーケティング 等
・Place(流通):チャネル、輸送、流通範囲、立地、品揃え、在庫 等
である。これら4つに分類されるツールを組み合わせていく。
なぜマーケティングの4Pがおすすめかというと、年パスの販売における必要な要素をロジカルに分解した上で整理して考えることができるからです。
具体的な要因な内容は次から詳細に説明します。
売れる5つの要因として具体策を考える
では課題を踏まえた上で、解決方法をマーケティングの4Pとして整理しました。それでは実際に実行するための施策を見ていきましょう。
ここでは一般的に使える5つの要因を秘策として具体化した上で詳しくお伝えしたいと思います。
【売れる5つの要因・施策】
・秘策1:Product(商品企画・種類)
・秘策2:Promotion(販促・プロモーション)
・秘策3:Place(販売方法・流通経路)
・秘策4:Price(アップグレード・アップセル)
・秘策5:上記を複合して対応する
秘訣1:Product(商品企画・種類)
どのように年パスを売るか?と聞かれた時に、一番最初に思いつくアイデアとしては「年パスとしての商品の魅力を上げる」ことと考えられた方は多いのではないでしょうか?
もちろん商品自体の付加価値やベネフィットが強いことに越したことはないのですが、企画側が考えたことが必ずしも消費者に正しく伝わるとは限りません。
年パスに関する「Product」としての施策を考える際には、もう一段階広い視点から考える必要がありますので、1つずつ見ていきましょう。
【このパートで解決できる課題】
<消費者の課題>
・認知の壁:メリットを具体的に定義する
・費用対効果の壁:ターゲット別の納得度を考える
<事業者の課題>
・ナレッジの壁:海外事例・マーケティング法則を使った対応方法
・人手不足の壁:企画・販促担当による推進ができる
単一商品だけでは購買意欲が上がらない
観光施設・事業者の皆さんは、「年間パスポート」という1種類の商品だけを売っているケースが多いのではないでしょうか?
年パスは1つかないという考えは分かるのですが、実はこの考え方が消費者の心理に悪い影響を与えてしまうことがあります。
マーケティング観点では「松竹梅の法則」というのがあり、単一の商品を並べて売るよりも「3つ並べて売る方が数が多く売れる」という消費者心理が存在します。
つまり年パスに関しても、松竹梅の法則を取り入れた上で複数の選択肢を用意することが「消費者の購買意欲を刺激して検討の土台に乗せる」ことができるのです。
米国では複数の年パス・シーズンパスの販売が多い
上記の法則を裏付ける実例があり、エンターテイメント先進国の米国のテーマパーク等は「複数の年パス」を販売しています。
参考までに日本でも馴染みの深いユニバーサルスタジオ(フロリダ)の年パスはこちらです。
日本では多くても2種類(スタンダード・プレミアム)ですが、なんと米国では4種類以上の年パスも売っているケースが珍しくないのです。
【参考】米国パークの年パス種類
・ディズニーワールド(フロリダ):4種類
・ユニーバーサルスタジオ(フロリダ):4種類
・シーワールド(フロリダ):4種類
・SixFlags(LA):4種類
詳細は別の記事で紹介しますが、どの大手テーマパークも複数の年パスを用意した上でそれぞれにベネフィットを整理して提供しています。(年パス以外にもシーズナルパスという商品もあり、実際のバリエーションはこれ以上です)
年パスの商品企画としてやるべきこと
以上を踏まえた上で、商品企画としてやるべき大事なことは以下の3つです。
【年パスの商品企画でやるべき3つのポイント】
・ポイント1:ターゲットの整理と指定
・ポイント2:ターゲットに応じた複数の商品ラインナップの検討
・ポイント3:各年パス商品ごとのベネフィットの付与
例えば地元住民を対象にし、土日でも気軽に使えるような入園を目的とした内容。特典としては中で飲食がしやすいように、飲食代の割引を付与するなどです。
具体的にどのようにやるのか、どんな点に気をつけるべきなのかは別の記事でご紹介予定です。楽しみにお待ちいただければ幸いです。
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秘訣2:Promotion(販促・プロモーション)
続いてご紹介したいのは、年パスとしての魅力を正しく顧客に伝える「Promotion」のご紹介です。
実はこの点に関してはあまり力が入っていない観光施設も多く、正直かなり損しているなと感じることが多くなっています。
ではどんな点で改善の余地があるのか、見せ方やそのポイントについて解説します。
【このパートで解決できる課題】
<消費者の課題>
・認知の壁:メリットに気づいてもらう仕掛け作り、具体的なメリット提示
・費用対効果の壁:直感的な検討の導入、ユースケースの提示
<事業者の課題>
・ナレッジの壁:抑えるべきポイントの把握、やるべきことの明確化
・人手不足の壁:協力業者との連携、外部コンサルタントの活用
企画した年パスを魅力的にする作業
商品としての年パスを練り上げて良いものにできたとしても、顧客にその魅力を気づいてもらえないと意味がありません。
ただ実際には年パスの価格と特典だけを記載して、パンフレットやWebサイトとして顧客に見てもらっているケースが多く存在します。
単に情報だけ載せていても、率直に言うと顧客にはその魅力をしっかりと伝えることは難しいです。しっかりと年パス専用のコンテンツを作った上で、利用してもらうための顧客にとってのメリットを伝える必要があることを十分に認識してください。
ではどのように顧客へメリットを伝えるのが良いのでしょうか?
顧客への見せ方はとても大事
顧客へメリットを伝える際に一番気をつけたいのは、直感的に納得しやすい内容にするために「見せ方を工夫する事」が大事になります。
よくあるような、年パスに付いている特典だけを強調して記載し、それぞれの特典の詳細を書くだけでは顧客にとってどんな具体的なメリットが分からないと思いませんか?
つまり顧客目線から見てこんなメリットがある!こういう使い方をすれば楽しめるという点を強調して「コンテンツとして伝える必要」があるのです。
必ず抑えたいポイント
ではどのようにメリットが伝えられるのでしょうか?様々な要素はありますが、年パス販売において必ず抑えたい3つのポイントを参考にご紹介します。
<ポイント1:料金の見せ方>
・方法:合計額だけ記載するのではなく、月額に直した上で表記もする
・理由:サブスクのような月額制で見せることで、費用対効果が分かりやすい
・例:毎月1,500円だったら、毎月の土日に1回でも来れば他よりも安く遊べる
<ポイント2:利用イメージの見せ方>
・方法:年間カレンダーのイベントや季節ごとに来園目的を記載する
・理由:具体的なシチュエーションを記載するで、年に複数回来るイメージを持ってもらう
・例:夏休みはプールで遊び、冬休みはスケートで遊び、GWは園内ピクニック、クリスマスはツリーとイルミネーションなど
<ポイント3:特典の見せ方>
・方法:項目ごとに特典を使った際のお得度を金額に換算して見せる
・理由:実際にどんな形で得点を使うと、いくらのメリットがあるのか分かりやすくする
・例:家族3人で食事10%だと1,000円お得に、年に4回で4,000円以上お得になる
理想は、専用のランディングページを作った上で、それを顧客が気になる適切なタイミングで見てもらうことで年パスのお得度をしっかりとアピールすることです。
具体的にどのようにやるのか、どんな点に気をつけるべきなのかはこちらも別の記事でご紹介予定です。楽しみにお待ちいただければ幸いです。
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秘訣3:Place(販売方法・経路)
売れる年パスの商品を企画して、それをコンテンツにした上で商品の魅力が伝わったとしても、実際に顧客が購入に至らなければ何の意味もありません。
そこで顧客の購買衝動を後押しするのが「Place」としての販売方法や販売経路です。些細なことと思われるかもしれませんが、顧客の欲しい瞬間を確実に捉えるには重要な要因となっています。
なぜ重要なのか、どのように対応すべきなのかを詳しく解説します。
【このパートで解決できる課題】
<消費者の課題>
・費用対効果の壁:無駄な時間なく年パスを購入して使える
・使い勝手の壁:手間なく発行や更新ができる
<事業者の課題>
・業務負荷の壁:年パス対応の工数最小化、様々な種類の年パスを効率的に販売
欲しいと思った顧客を実際に動かすのが販売方法・経路
年パスが良いから買いたいなと思った顧客が出てきても、そこで終わりではありません。どうやって顧客に買ってもらうか?というのも年パス販売をする上で重要な要素になります。
年パスの販売・発行を窓口でやっている観光施設が多いと思いますが、実際には顧客から見ると購買するためのいくつかのハードルが存在しているのです。
<顧客から見た窓口購入のハードル>
・指定の場所にわざわざ行かないといけない
・販売や発行の営業時間が決まっている
・購入や発行の時間がかかる
・購入の列に並ぶ可能性もある
せっかく施設には楽しく遊びに来ているのに、その貴重な時間が無駄になってしまうと面倒臭いと感じてしまう方が一定出てくるのです。
そして複数の年パスを販売する事業者にとってもデメリットは多く、発行手続きが複雑なことでより多くの対応時間やトレーニングが必要になってしまうのです。
デジタル販売することで複数の課題を一気に解決
上記のような課題を総合的に解決してくれるのが「年パスのデジタル販売」です。
入園券は少しずつデジタル化している観光施設もいると思いますが、年パスのデジタル販売はまだまだ進んでいないのではないでしょうか?
<デジタル販売によるメリット>
・顧客が欲しいと思った瞬間に買える(24時間365日、事前購入も可)
・年パスの購入と発行がスムーズにできる(行く必要なし・並ばない・時間無駄にしない)
・事業者側も年パス発行の手間を削減し、特別なトレーニング等も不要
つまり販売経路をオンラインにすることで、顧客が年パスを欲しいと思った瞬間を捉えて解決できる強力な手段になるのです。
年パスをデジタル化することで得られる他のメリット
年パス販売をデジタル化することの直接的なメリットは既にご紹介しましたが、実はデジタル化によって他にも得られるメリットがあります。
年パスをデジタルで利用できるからこそのメリットが多いため、以下参考にしてください。
<他のメリット1:年パスの利用回数・日時が分かる>
・販売した年パスが期間内に何回使われているか簡単に追跡できる
・実際に年パスがいつ(来園の時刻なども含めて)使われたか分かる
・上記が分かることで年パスが分析をし、今後の商品企画に活かせる
<他のメリット2:年パスの更新の手間がなくなる>
・年パスの更新案内を自動で通知できる
・更新作業をオンラインで完結できる
・年パスの自動更新を行うことで機会損失を防ぐ
<他のメリット3:年パス継続の特典を付与しやすい>
・年パスをどのくらい継続しているかデータで見れる
・継続年数ごとに特別な特典を付与する企画ができる
・ロイヤリティプログラムと連動して優良顧客へアプローチできる
外販(OTA・旅行会社)と協力して単に年パスをデジタル販売しているだけでは上記のメリットは達成できないことが多いため気をつける必要があります。
独自に年パスをデジタル販売して管理できる「自社専用のCRM」があれば十分に達成可能なメリットです。
具体的にどのようにやるのか、どんな点に気をつけるべきなのかは別の記事でご紹介予定です。楽しみにお待ちいただければ幸いです。
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秘訣4:Price(アップグレード・アップセル)
年パスの販売と聞くと「入園券の代わりに最初から年パスを買ってもらう」という発想が一般的をしますよね?実はここに年パス販売の盲点が存在します。
特に初めて施設に来た顧客はその良さも分からないのに、最初から年パスを買ってくレルと思いますか?また、次回来てくれるのがいつになるかも分からないため、2回目以降でも年パスを買ってもらうにはしっかりとアプローチが必要になります。
そこで新しい発想として是非知ってもらいたいのが、入園券から年パスへアップグレードできるという観点です。
どんな考え方をすべきなのか、どんなアプローチができるのかなどを詳しく解説していきます。
【このパートで解決できる課題】
<消費者の課題>
・認知の壁:一般入場者をターゲットの母集団に追加、多くの接触機会を獲得
・費用対効果の壁:差額で買えることで購入ハードルが低下
・使い勝手の壁:様々な状況で手間なくアップグレードして使える
<事業者の課題>
・ナレッジの壁:利用ケースの整理、販促方法の具体的な方法
・人手不足の壁:自動化の仕組みを使うことによってリソース不要
・業務負荷の壁:一般入場者へのアプローチ不要、マニュアル作業な作業なし
入園券をアップグレードするという発想
先ほどご説明した通り、入園券から年パスへアップグレードすることで「施設に初回に来た顧客もターゲットにした上で年パスの販売が可能」になります。販売対象の母集団が増えるため、効率的に年パスを売るためには欠かせない考え方です。
しかも、「入園券との差額」で年パスにアップグレードできれば、当初から年パスを買うよりもよりハードルが低く購買意欲を刺激することができます。
例:入園券が5,000円、年パスが15,00円のケース
・年パスだけ買う:当初から15,000円、費用対効果をしっかり考える
・アップグレード:差額の10,000円でできるため、費用対効果を回収しやすい
事業者側の視点で見ると、新規で来たお客様に対してアップグレードをすることで確実に一定の売上・利益を向上することができます。
もちろん年に2〜3回で一般の入園券で来てくれる顧客もいますが、割合としてはごく僅かです。リピーターになるか分からないのであれば、初回来た当初から年パスホルダーになってもらった上でリピーター化するに越したことはありません。
アップグレードできるタイミング
単にアップグレードといっても、顧客に納得して対応してもらうのは簡単ではありません。
ここで重要になってくるのが、顧客がアップグレードしても良いかなと思う「タイミング」です。
このアップグレードにはいくつかのおすすめのタイミングがあり、カスタマージャーと合わせて以下のように考えてみてください。
<アップグレードのタイミング>
・入園前:事前にオンラインで入園券を買った顧客へ、入園前までにアプローチしてメリットを伝える。初回から使える特典が魅力的であれば更に有効
・入園中:入園した顧客に施設内で遊んでいる時にアプローチ。楽しい瞬間を活用することで、次回以降のリピートを促せる
・退園後:楽しかった思い出が残っているうちに、次回以降お得に使えるようにアプローチ。誕生日やクリスマスなどのイベント連動も可能
このように様々なタイミングでアップグレードを促すことができますので、詳細はまた別の記事でご紹介したいと思います。
デジタル化していればアップグレードが楽
ではどうやってアップグレードのアプローチをするのか?という疑問が出てくるかと思いますが、ここで活躍するのが先ほどご紹介した年パスのデジタル販売です。
年パスのデジタル販売をしていることで、アプローチする方法が通常に比べても多く持てるのが特徴になります。メールを送信したり、年パスのEチケット上でおすすめをしたり、園内のマップと連動するなど様々なアプローチができます。
そしてデジタル販売していることで、アップグレードの手続きが簡単に顧客だけで完結することができます。この点は年パスの販売と同じです。
また、顧客管理をするCRM(会員登録など)を同時に使っていれば、何回も同じ情報を入力せずとも少ないステップでアップグレードが可能になるでしょう。
具体的にどのようにやるのか、どんな点に気をつけるべきなのかは別の記事でご紹介予定です。楽しみにお待ちいただければ幸いです。
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秘訣5:4つを複合的に実施する
マーケティングの4Pの観点から年パスを売るための方法を解説してきましたが、一部でも触れたように「4つの要素を複合的に使うことでより効果を発揮」することができます。
なぜ総合的に4つの施策を同時に行うことがメリットを最大限発揮できるのか、理由と背景とともに詳しく解説します。
1つの施策だけ実施しても効果は薄い
これだけの施策があると、1つずつ出来ることから始めようと考える方々が多いのですが、実は逆に1つの施策だけやっても効果ができない、それどころか逆効果になってしまうケースも存在するのです。
例えばデジタルで年パスが買えるだけだと、顧客の心理は大きくは変わりません。商品自体に魅力がなければ大きく変わらないでしょうし、メリットを正しく伝えなければ購買意欲は高まりません。
また、商品ラインナップだけを増やしても現場で対応するスタッフのオペレーションが大変になるでしょう。たいして販売が伸びないのに、工数だけ増えると言う状況は避けたいはずです。
総合的にやることでメリットを最大限享受する
つまりマーケティングの4Pの要素を総合的にやることで、それぞれが持つ特徴やメリットを活かして最大限にする必要がでてきます。
4つの施策を総合的にやる理由の1番は、カスタマージャーニーに対応できるいうことです。年パスに対する「認知〜興味〜検討〜購買〜継続」という一連の過程でアプローチするからこそ効果を発揮するのであり、一部だけ切り取っても効果は限定的です。
また、4つを総合的にやっているからこそ「施策のバランスを調整」することが可能になります。例えば複数の年パス商品をデジタル販売した効果が高ければ、これを元にアップグレードの促進や販促キャンペーンを組むことが可能です。
常に4つの要素を考えながら、総合的に年パス販売を促進していく姿勢が必要不可欠といえます。
年パスを売るためのサイクルを確立しよう
総合的な施策を打つことで、年パスを売るための「販売サイクル」を確立できることに気づくでしょう。一度このサイクルを回すことができれば、後は1つずつ改善していくことで、後に大きな効果を発揮することができます。
その延長線上として、理想的にはロイヤリティプログラムを作って連動させるとより良い効果を生めるでしょう。ずっと年パスを継続して使ってもらうことで、親子何世代にも渡って末長く施設を使ってもらうための土台も築けます。
このように年パス1つに集中して販売を強化することで、施設にとっては重要な「ゲストエンゲージメント」を高めることができ、短期だけではなく長い目線での事業運営が安定し、売上・利益の向上に繋げることができるのです。
まとめ
年パスを売るために必要な秘訣を、マーケティングの4Pに沿って具体的に解説してきました。各施策単位でも色々と出来ると思った方も多いはずです。
そして1つの施策だけではなく、4つの施策を総合的に使うことでより効果を実感できるはずです。年パス販売をサイクルを適切に回し、売上・利益の向上を図っていきましょう。
上手くサイクルが回ればロイヤリティプログラムとの併用も検討できるため、高いゲストエンゲージメントを獲得することは容易になります。
長い目線で考えても、今すぐ年パスの販売強化に取り組むこと価値があると思いませんか?気になった方は是非すぐに検討を始めるのをおすすめします!
当ブログではゲストエンゲージメントを高めるための秘訣や、具体的にどういった施策でエンゲージメントを高めるのかを詳しく解説していく予定です。
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