観光施設を営まれている方は、施設に関するパンフレットを紙で提供されているはずです。

一方でパンフレットを紙で提供することで印刷代などの費用や在庫管理の工数がかかっているのも事実。この負担を軽減すべく近年ではパンフレットのデジタル化が進んできました。

パンフレットをデジタル化する際には、単純にオンラインで見れるようにするだけでは良いのでしょうか?デジタル化したけど、結局紙のパンフレットがよく見られていて実は負担が減っていないという事例をよく聞きます。

ではどのようにパンフレットをデジタル化すべきなのでしょうか?

顧客がパンフレットを使う目的理解し、顧客とのコミュニケーションツールとして成り立たせるところにポイントがあるのです。

そこで本記事では、観光施設がパンフレットをデジタル化する目的やメリットをご紹介した上で、デジタル化する際に気をつけたい5つのポイントを詳しくご紹介したいと思います。

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是非最後まで記事をご覧ください。

<筆者の紹介

  • 観光業界でデジタルマーケティングに携わり10年以上
  • 元大手のOTAでとある責任者として働いていた
  • NutmegというITサービスの運営中
  • 商談や繋がりなどで1,000以上の観光事業者と対話
  • 大手に対してEC業界やITサービスのコンサルティングの実績あり

目次

観光施設のパンフレットは大事な販促物

観光施設が事業を営むにあたっては、施設内の情報を顧客へ伝えるためのパンフレットがとても重要です。

単に施設へ来てもらうだけではなく、現地でどのように過ごしてもらいして様々な体験や購買をしてもらうことで「顧客単価アップ」を狙うことができます。いわば強力な販促物だと言えるでしょう。

一方でデジタル化が進んでいる現代でも、紙のパンフレットを提供しているところが多く、パンフレット自体はまだまだデジタル化がされていません。

紙のままのパンフレットでは「顧客コミュニケーションとしては不足」していることが多く、実際の顧客単価アップに繋げるには大きなハードルが存在しているのです。

なぜこういった事態が起きているのでしょうか?背景や紙のパンフレット提供のデメリットを順番に解説します。

顧客単価アップにも繋げられる大事な手段

パンフレットを提供することが観光施設にどのようなメリットがあるかは、皆さん既にご承知の通りです。

施設が提供しているアトラクションや施設内で出来る体験の詳細を伝え、顧客の楽しみたいという気持ちを引き出すこと。

施設内の飲食やお土産コーナーの情報を伝えることで、購買意識を持ってもらうこと。

そしてトイレやベビーセンターなどの情報を伝えることで、快適に施設を過ごしてもらうことです。

こういった情報提供は最終的には「顧客単価アップ」に繋げられる可能性を大きく秘めており、一定の投資をしてでも良いものを顧客へ届ける必要性があります。

紙パンフレット提供の効果は?

一方でパンフレットを紙で提供している施設が多く、本来は必要な「販促物への投資」がデジタル化されていないことが問題点として上がっています。

紙のパンフレットを提供するということは、毎年のコスト管理工数がかかり続けるということに加えて、顧客からしても限られた情報しか見ることができません。

そのためスマホが発達した現代では、パンフレットを見るよりもオンライン(WebやSNS)で情報を探す方が顧客にとって楽で当たり前になっています。

せっかくコストをかけて良いパンフレットを提供しているのに、実際にはほとんど使ってもらえなかったり、効果が出ていないというケースが多く存在しているのです。

また、紙のパンフレットでは実際にどのくらい効果を生んだかも不明瞭です。この点は別の記事で詳しく解説したいと思います。

これでは大事な販促物としての効果を発揮しておらず、毎年かけているコスト等に無駄が生まれているのです。

最大のデメリットは「顧客コミュニケーション」として不十分

紙のパンフレットとしての効果が薄いことや不明瞭であることを説明しましたが、一番のデメリットはこれら2つではありません。

本来は顧客接点作りをして顧客単価アップに繋げる「顧客コミュニケーション手段」になっていないことが最大のデメリットなのです。この顧客コミュニケーションは顧客と相互的に行う必要があり、一方的なものではありません

例えばパンフレットの代わりにガイドさんが直接案内した場合はどうでしょうか?相対的に高い興味を持ってもらえ、購買につながるケースが多くなります。これは相互的にコミュニケーションを取っているからに他なりません。

つまり紙のパンフレットを渡すだけでは一方的に情報を提供しているだけであり、顧客コミュニケーションとして欠陥がある状態が生まれているのです。

ここにパンフレットの提供をデジタル化する意味があり、ガイドのような適切な顧客コミュニケーションを取るために改善する理由があります。

適切な顧客コミュニケーション方法は別の記事で紹介予定ですので、公開まで少々お待ちください。

パンフレットをデジタル化する3つのメリット

パンフレットをデジタル化することで顧客コミュニケーションが良くなるという点を強調しましたが、その結果として具体的にどのようなメリットが生まれるのでしょうか?

大きく分けると3つのメリットを得ることができますので、表面的に得られるメリットから始まり、本質的なコミュニケーションツールになるポイントを解説したいと思います。

メリット1:紙のコスト削減・在庫管理の手間削減

パンフレットをデジタル化することで得られる分かりやすいメリットは、かかっている紙のコスト削減やそれにかかる在庫管理の手間が削減されることです。

顧客コミュニケーションを取ろうとリッチなパンフレットを作れば作るほど、企画やデザインのための費用は膨らみ、紙代や印刷代が高くなってしまうのです。

例えば入場料が2,000円の施設が、原価20円/部のパンフレットを作ったとします。これは売上の1%相当を投資していることになります。しかも入場者数等を予測して多めの在庫を持つ場合は、期限が来て在庫を使わない(陳腐化)場合は1部あたりのコストはさらにあります。

もし紙のパンフレットの提供をやめれば、理論的には利益率が1%向上することが可能です。

また、紙パンフレットの在庫管理には多くの工数がかかり、定期的な在庫数の確認や現場にパンフレットを並べる作業などの隠れコストがかかっているのです。

パンフレットをデジタル化することで、これらの管理工数が削減可能であり、上手くいけば80%以上のコスト削減も実現可能です。この点は別の記事で詳しく解説します。

メリット2:最新の情報を見せて顧客が使いやすくなる

パンフレットをデジタル化する2つ目のメリットは、常に内容を最新の状態に保つことで顧客が使いやすくすることにあります。

紙のパンフレットでは一度作るとコストの観点から半年〜1年は最低でも同じものを使い続けるため、作成・印刷時点では分からない新しい情報やイベントの情報を掲載することがとても難しいのです。

一方で顧客は施設に来たその時点の最新情報を求めており、施設をより楽しむためには新しい情報やイベントの情報が重要視されています。

こういった点でもパンフレットをデジタル化しておけば、比較的容易に内容を変更・追加して顧客へ提供することができます。

これも適切なコミュニケーションを取る上では欠かせませんし、こういった最新の状況が顧客にとってのパンフレットの利用率を上げることに繋がるのです。

メリット3:情報量を増やして顧客行動を促せる

パンフレットをデジタル化する3つ目のメリットは、紙面に比べて多くの情報が載せられることで顧客とのコミュニケーション内容を向上できることです。

例えば紙面だと本当に重要な情報を載せようと取捨選択して限られた情報(写真・文字)になりますが、デジタル版ではこの制約が大きく外れます。

結果的に1つのコンテンツあたりの情報量を増やすことができ、顧客が求めている情報を提供することで興味を刺激して購買行動に繋げることができるのです。

こういった適切なコミュニケーションを取る上ではとても重要になりますし、顧客行動を促して顧客単価アップに繋げることができるのです。

デジタル化する際に気をつけるべき5つの方法

パンフレットをデジタル化する際のメリットは理解いただけたと思いますが、具体的にどのようにパンフレットをデジタル化すべきなのでしょうか?

ここでは一般的に起こりがちな間違った方向性や施策にならないよう、デジタル化する際の気をつけるべき5つのポイントに分けてご紹介します。

【パンフレットをデジタル化する際に気をつけたい5つのポイント】
・ポイント1:PDFの配布で済まさない
・ポイント2:HPの一部を流用しない
・ポイント3:コンテンツへ適切な情報を載せる
・ポイント4:位置情報と連動させる
・ポイント5:欲しい情報を探せるようにする

各ポイントごとに詳しく解説しますので、それぞれご覧ください。

ポイント1:PDFの配布で済まさない

パンフレットをデジタル化する際に気をつけたい1つ目のポイントは、紙のパンフレットを単にPDFとしてアップロードして配布しないことです。

デジタル化するという際に真っ先に思いつきやすいアイデアであり、実行もかなり簡単な部類に入ります。ただ残念ながらこれでは本来の目的である顧客との適切なコミュニケーションは達成されません

なぜ目的が達成できないのか、具体的にどんな部分が顧客にとって意味がないのかなど解説します。

中身は紙のパンフレットと変わらない

紙で提供しているパンフレットをデジタル化するには、元となる冊子をPDF化してどこかにアップロードすればとても簡単です。

これで紙の印刷代や管理の手間が省けると思っている施設さんはいらっしゃるのですが、残念ながらパンフレットはデジタル化する本来の意味」が達成されないのです。

顧客から見れば紙で配られているパンフレットの情報と同じのため、わざわざPDFで見る価値がありますでしょうか?

紙面のものを単にPDF化しているだけだと、結局は限られた情報しか載っていないためデジタル化する価値が生まれないのです。

スマホでだと逆に見づらい

こういう話をすると、パンフレットの内容を作り込んでいるから大丈夫!という意見を頂くのですが、これは顧客の情報を全く理解していない発想です。

顧客が現地でデジタルのパンフレットを見るとしたら、間違いなくスマホで見ることになります。スマホでPDFのパンフレットを見た時に、皆さんは見やすく感じますか?

スマホでPDFを見れば、拡大したり見たいところに移動したりが大変であり、スマホの本体にPDFを保存するのも一手間かかります。

これではスマホで見る方が使いづらくなっており、だったら紙のパンフレットを見る方が楽だと感じるでしょう。結果としてPDFのパンフレットは見られず、紙のパンフレットが必要になるのです。

オンラインのマップ形式の提供が理想

スマホで見られるということを考慮すると、PDFは一番よろしくない選択肢に感じませんか?本来はスマホで見やすいWeb形式のコンテンツを作ることで、顧客にとって初めてデジタルで見る価値が出ます。

このWebコンテンツの中でも、理想としては施設内のそれぞれの場所が分かる「マップ形式」がおすすめです。顧客は直感的に位置関係が分かった上で、気になる内容を深堀して詳しく見ることができます。

整理されたマップ形式であれば単に情報が羅列されているよりも顧客にとっては見やすいため、長い時間使っても苦痛にはならないのです。

このようにPDFで施設のパンフレットを提供するとは「顧客にとって苦痛(ペイン)を引き起こす」可能性が非常に高く、デジタル化するための方法としては可能な限り避けるべきでしょう。

そして本来の目的である顧客との適切なコミュニケーションを取るためには、 Webで見れるコンテンツ化することを考えるのをおすすめします。

ポイント2:HPの一部を流用しない

パンフレットをデジタル化する際に気をつけたい2つ目のポイントは、観光施設が提供している「HP・Webサイトの一部をパンフレットとして流用しないことです。

Webコンテンツ化と聞くと、HPに情報を載せて提供すれば良いと考える方が多いのですが、これは実は危険な考え方です。

そもそも現地でパンフレットを見る顧客の目的とズレるため、情報としての価値を発揮しないケースが多くなるからに他なりません。

具体的になぜHPの一部を流用しない方が良いのかや、よくありがちな現地においたQRコードはスキャンされないことの理由、そしてパンフレット専用コンテンツの必要性を順に解説します。

既存のHP・サイトでパンフレットを代替すると

なぜ既に提供しているHPやサイトの提供が良くないのでしょうか?これを紐解く鍵は、顧客が現地で何をみるかというシチュエーションと目的を考えることにあります。

顧客は観光施設に来る前にHPやWebサイトを全く見ないでしょうか?実は顧客は施設の訪問前にHPサイト上の情報をある程度見ていることが多く、現地で何をしようかという事前計画に利用しているのです。

つまりある程度HPやWebサイトに載っている情報は目を通しているため、現地に来た際に全く同じ情報しかない場合は顧客にとって価値がないと言えるのです。

また、Webサイトのコンテンツの見せ方としては現地で使いやすいように配慮されていないことが多く、目的のコンテンツを探すのに時間がかかったりサイト上で迷子になることもしばしば発生します。

QRコードスキャンはされない

現地でサイト上が探しにくいのであれば、様々な場所にQRコードを置いてスキャンしてもらえれば良いと考える方もいらっしゃるでしょう。

ではQRコードをスキャンできるように分かりやすい場所に目立った看板を置くと実際にどうなるでしょうか?顧客の行動としては最初はスキャンしてくれるかもしれませんが、内容がHP・Webサイト同じだと気づいた後はスキャンしてくれなくなるのです。

その理由はシンプルで計画時に見たことある情報以外を探しているので、だったら他にオンラインで探した方が早いと思うからです。

SNSやブログなどの情報を見た方が早く・充実しているため、わざわざ現地で毎回QRコードをスキャンする顧客は圧倒的に少なくなっています。もし気になる方がいたら、QRコードのスキャン回数が見れる「アクセス解析」を実施してみてください。(一定の準備が必要ですので、ニーズがあれば詳しく解説します)

このように現地にQRコードを置いても本来の目的は達成されず、既存HPやサイトの流用から脱出することができません

これではQRコード付きの看板や設置コストが無駄になってしまうだけです。

パンフレット専用Webコンテンツを作るべき

顧客の目的と探しているものを考慮すれば、現地に来た人が気になる情報を作って適切に提供すべきだという方向に辿り着きます。

多少手間がかかったとしても、顧客の興味を刺激して実際の購買行動に繋げるようなパンフレット専用のWebコンテンツ」が必要なのです。

これは実は紙のパンフレットを作っている時の発想と同じで、単に方法が紙からデジタルに変わったと考えるのがおすすめです。

パンフレット専用のWebコンテンツを作ることで、目的である顧客単価アップを実現しかつ効果測定ができれば時間やコストを投資する意味が十分に出てくるのです。この点は別の記事で解説予定です。

ポイント3:コンテンツへ適切な情報を載せる

パンフレットをデジタル化する際に気をつけたい3つ目のポイントは、提供するパンフレット専用コンテンツの作り方です。

パンフレット作りと聞くと、紙面における企画や制限の発想をしてしまう方が多く、これでは顧客が求めている情報を提供することができません

ではどんな発想を持ってパンフレット専用コンテンツを作るべきなのか、顧客にとって有用な情報を提供するためには何が必要なのかを解説します。

パンフレット専用コンテンツと聞くと

パンフレット向けにコンテンツを作りましょう!という話をすると、ほとんどの観光施設の方々は以下のような内容を作る傾向にあります。

<よくありがちなパンフレット専用コンテンツの内容>
・写真を載せる
・簡単な紹介文を載せる
・営業時間、住所、TELなどの基本情報を載せる

この発想は紙のパンフレットを作っている時に行った癖(紙面上の制約)としてついたものであり、デジタル化する際のメリットを考慮出来ていないことが分かります。

こういった基本的な情報は顧客は現地で求めているのではなく、興味をそそられるようなより詳しい情報を求めているのです。

情報の有用性がないと見てもらえない

具体的にどのように専用コンテンツを作るべきかというと、顧客に「情報の有用性」を作る必要性を必ず考える必要性があるのです。

例えばSNSやブログといった媒体には多くの情報が掲載されており、こういった情報を見ることで顧客の興味が刺激されています。

つまり現地の顧客の行動を促すような一定の詳細な内容が必要であり、SNSなどを詳しく見なくても分かるような大事な情報が簡単に見れるようにする必要があると言えるのです。

興味を惹く情報を載せる(例で説明)

顧客の興味を惹く情報と言っても難しく感じられると思いますが、実はそこまで難しくありません。

実際にどんな情報を提供することが顧客にとって有用なのか、いくつか例をご紹介したいと思います。

<例1:施設で体験できるアトラクションの場合>
・アトラクションの楽しさが分かる動画
・楽しめる/おすすめの年齢
・体験するための制限や必要な情報
など

<例2:施設内レストランの場合>
・人気メニューのランキング
・各メニューの人気理由
・各メニューの写真や価格
など

<例3:参加形態や年齢別の場合>
・家族で楽しめるものやおすすめのルート
・小さな子供でも楽しめるもの
・カップルに人気のスポット
など

具体的にどういった情報が有用なのかは別の記事で詳しく解説予定です。

こういった例を見ると、施設の皆さんは思ったよりも作れるコンテンツの幅があってしかも実際に作れるイメージが持てるのではないでしょうか?

施設を楽しんでもらい、顧客単価アップに繋げるには現地ならではの有用な情報を必ず入れるようにしましょう。

ポイント4:位置情報と連動させる

パンフレットをデジタル化する際に気をつけたい4つ目のポイントは、デジタル化したWebコンテンツを位置情報と連動させることです。

これは顧客に興味を持ってもらった瞬間を行動に繋げる役割を持っているためです。特に現地では時間や移動の制約が入ってくることがあるため、こういった顧客の制約を解消できるような仕組みが効果を発揮します。

興味を刺激された顧客がどういう行動をするのか、そのために何を求めているのか、どんな解決策があるのかを順に解説します。

興味を刺激した後に起こす行動

顧客にとって有用な情報がデジタルパンフレットで提供され、顧客に興味を持ってもらえたとします。顧客が次に起こす行動は「目的の場所まで移動」するということです。

この時に顧客が考えるのが、行動するための十分な時間」があるかや「行動するだけの価値」があるかという点です。

具体的には目的地までどのように辿り着いて、どのくらい時間がかかるかが重要な判断軸になります。この判断が問題なければ行動に移してもらえますが、もし難しい場合は代替の選択肢を検討するはずです。

つまり顧客が興味を持った際に、「判断をしてもらうための情報を同時に伝える」ことですぐに行動を促す必要があると言えるでしょう。

位置情報を使うという解決策

目的地までの所要時間・移動手段に一番使えるのは、顧客がその時点でいる位置情報との連動です。Googleマップのように直感的に分かれば、すぐに決断してもらうことができます。

興味を惹く際に専用コンテンツを表示した時に、GPSで現在地が分かるような見せ方が理想です。

そのためには顧客が現在いる情報をGPSとして取る必要があります。多くの方が勘違いしている or 知らないのですが、スマホをアプリを使わずとも実はブラウザ(Chrome・Safariなど)でGPSの情報を取ることができるのです。

わざわざアプリをインストールしなくてもGPS情報を取得してコンテンツと連動させることは難しくありません

経路検索やかかる時間を表示

GPSによる顧客の現在地を示せたら、やるべきことは現在地から目的地までの経路や時間を示してあげることです。

顧客がコンテンツを見た後に都度Googleマップを開いて別途使ってもらう方法もあるのですが、わざわざGoogleマップで情報を再入力しないといけなかったりと手間が入ることは避けるべきでしょう。

可能であればデジタルパンフレット上で直接経路等の情報を表示するか、1クリックでGoogleマップに飛んで情報が見れるのが理想です。どのように対応することができるかは別の記事で詳しく解説予定です。

このように顧客が興味を持った瞬間を逃さずに捉え、行動してもらうための仕掛けとしては位置情報を活用するのがおすすめです。

ポイント5:欲しい情報を探せるようにする

パンフレットをデジタル化する際に気をつけたい5つ目のポイントは、情報が多いデジタルパンフレットの中で「顧客が欲しい情報」を探せるようにすることです。

これはパンフレット内容のコンテンツを多くすればするほど、目的の情報を簡単に探せなくなってしまう問題が起きるからです。例えばコーヒーが飲みたい時に、どこに行けば買えるのかといった具合が上げられます。

なぜこういった問題点が起きるのか、そしてどのように解決すべきなのか、目的の情報を探せるようになることで得られる副次的なメリットまで含めてご紹介します。

専用コンテンツが増えると起きる問題点

顧客の興味を刺激するためにデジタルパンフレットで専用のコンテンツを作っていくと、最終的には数多くのページと中のコンテンツができることに気づくでしょう。

この時に紙のパンフレットでは起きない別の問題点が初めて出ます。それは欲しい情報を得るためには、ボリュームがあるページを1つずつ見ないといけないこと。

先ほどのコーヒーが飲みたくなった例をベースにすると、掲載されている飲食店の中身を1つずつ見ないとどこで売っているかが見つけられないのです。

こういった欲しい情報を取るために時間がかかり大変になると、途端に顧客は面倒臭さを感じて探すのを止めてしまう事態が起こります。

これでは本来は重要な顧客行動を起こせずに機会損失を作り出しすことになります。この問題は深刻になるため、放置はできません。

必要な情報を探せる(検索する)ことで解決

この問題点を解決するには、デジタルパンレット内を「横断的に探せる」ような検索機能の提供がおすすめです。

並んでいるコンテンツをカテゴリーやフィルターなどの条件で絞り込んだり、欲しいものを文字として検索して含まれるページを探すなどが考えられます。これはサイト内検索と同じ方法であり、デジタルパンフレットにも適用することが出来るのです。

また、探した内容(該当するショップや設備)を地図上で表示することも重要です。上記で解説した通り、所要時間や経路が顧客の行動に影響を与えることを考慮しましょう。

サイト内検索を実現する方法や、どのように顧客にとって使いやすいサービスを作るかは別の記事でご紹介予定です。

パンフレット内検索で得られる副次的なメリット

パンフレット内検索で得られるのは、顧客にとっての使い勝手だけではありません。実は観光施設にとっても副次的なメリットが得られます。

顧客が検索することで、どの時間・場所で何を求めているのかを把握して施設の運営に活かすことができます。コーヒーの例で言えばランチ直後に検索が多かったりすることが分かれば、その時間にコーヒーをおすすめするなどを施策が組めるでしょう。

また、パンフレット内でよく使われているキーワードが分かれば、現地で顧客が何を求めているのかの可視化も可能です。コーヒーという検索ワードが多ければ、コーヒーを販売しているショップを増やすことが考えらるでしょう。

こういった顧客のニーズをデータとして分かることで、施設が行う運営改善に向けた企画に繋げることができるのです。

顧客にとっての使い勝手を向上し、施設運営に活かすためにも欲しい情報を探せるようにするパンフレット内検索はとてもおすすめです。

まとめ

パンフレットをデジタル化する際に気をつけたい5つの方法を解説してきましたが、いかがでしたでしょうか?顧客と適切にコミュニケーションが取れれば、顧客単価アップを狙えるため取り組む価値が高い分野だと言えます。

現地にいる顧客の興味を刺激し、行動を促すようなパンフレット提供できれば間違いなく顧客単価アップを通じた売上・利益の増加が見込めるでしょう。

これを実現するためには、顧客にとってのパンフレットの使いやすさを追求してメリットを最大化することが重要です。

間違ってもPDFでパンフレットを提供したり、既存のHPやWebサイトを使い回して情報を提供するだけで終わらないことに注意しましょう。

何かできそうだと感じた方は、すぐに行動を始められることをおすすめします!

当ブログではゲストエンゲージメントを高めるための秘訣や、具体的にどういった施策でエンゲージメントを高めるのかを詳しく解説していく予定です。

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